○稲沢市議会議員政治倫理条例
平成28年7月1日
条例第28号
(目的)
第1条 この条例は、選挙により市民の厳粛な信託を受けた稲沢市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の代表者として遵守すべき政治倫理に関し必要な事項を定めることによつて、公正で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、常に法令を遵守し、市民全体の代表者としてふさわしい人格と倫理の保持に努め、公共の利益を追求するという自覚を持つて、その使命の達成に努めなければならない。
(政治倫理基準の遵守)
第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守して行動しなければならない。
(1) 市民全体の代表者として、その品位と名誉を損なう一切の行為を慎み、その職務に関し、市民の疑惑を招くおそれのある行為をしないこと。
(2) 市又は市が出資する法人その他市が財政的に援助を与える法人のうち議長が定めるもの(以下「市等」という。)が行う許可、認可その他の処分又は請負その他の契約に関し、特定の者に有利又は不利になるよう働きかけをしないこと。
(3) 市等の職員の公正な職務の遂行を妨げ、その職務権限を不正に行使するような働きかけをしないこと。
(4) その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。
(5) 市から補助金等の交付を受けている団体又は企業(以下「団体等」という。)の代表者及び議長が別に定める団体等の役員に就任しないこと。
(6) 政治活動に関し、団体等から、政治的又は道義的な批判を受けるような寄付を受けないこと。議員の後援団体についても、また同様とする。
(7) 市等の職員の採用、昇格又は人事異動に関し、特定の個人を推薦又は紹介する等、人事に介入しないこと。
2 議員の配偶者若しくは1親等の親族が経営し、若しくは役員となつている企業等又は議員が役員となり、若しくは実質的に経営に携わる企業等については、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、各会計年度において支払を受ける当該請負の対価の総額が普通地方公共団体の議会の適正な運営の確保のための環境の整備を図る観点から300万円を超えないものを除き、市並びに市内の土地改良区及び土地区画整理組合が行う工事等の請負契約、業務委託契約及び物品購入契約に関し、辞退しなければならない。ただし、災害等特別な理由があるときはこの限りでない。
3 前項本文に該当する議員は、市民に疑念を生じさせないため、責任をもつて関係者の辞退届を提出するよう努めなければならない。
4 議員は、政治倫理基準に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら潔い態度をもつて疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。
(1) 市民が審査請求する場合 公職選挙法(昭和25年法律第100号)第22条第1項又は第3項の規定による選挙人名簿の登録が行われた日において、市の選挙人名簿に登録されている者の50分の1以上の者の連署
(2) 議員が審査請求する場合 稲沢市議会の議員の定数を定める条例(平成14年稲沢市条例第15号)に定める議員の定数の8分の1以上の議員の連署
2 議長は、審査請求が要件を満たしているかを精査の上、受理又は却下を行い、理由を付して審査請求の代表者にその旨を通知しなければならない。
(審査会の設置等)
第5条 議長は、前条第2項の規定により審査請求を受理したときは、稲沢市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、当該審査を付託するものとする。
2 審査会の委員は、議会運営委員会の委員をもつて充てる。ただし、審査の対象となつている議員(以下「対象議員」という。)は、審査会の委員となることができない。
3 委員の任期は、第9条の規定による審査結果の報告が終了した日までとする。ただし、議員の職を失したときは、委員の職を失う。
4 審査会に委員長及び副委員長を置き、それぞれ、議会運営委員会の委員長及び副委員長をもつて充てる。
(1) 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、副委員長が委員長の職務を行う。
(2) 委員長及び副委員長ともに事故があるときは、年長の委員が委員長の職務を行う。
(審査会の会議)
第6条 審査会の会議(以下「会議」という。)は、委員長が招集する。
2 会議は、委員の定数の半数以上の委員が出席しなければ、これを開くことができない。
3 会議の議事は、出席委員の3分の2以上の同意により決するものとする。
4 会議は、非公開を原則とする。ただし、会議の経過及び結果について外部に公表する必要がある場合は、出席委員の3分の2以上の同意を得て、委員長が行うものとする。
5 審査会は、対象議員に会議への出席を求め、弁明の機会を与えなければならない。なお、会議に出席できない場合は、文書をもつてすることができる。
6 審査会は、市民や学識経験者の意見を聴くことができる。
(審査会の職務)
第7条 審査会は、議長から付託された審査事件について、政治倫理基準及び第3条第2項に違反する行為の存否等について審査する。
2 審査会は、対象議員に対する事情聴取、資料の要求その他必要な調査を行うことができる。
(対象議員の協力義務等)
第8条 対象議員は、審査会の審査及び調査に協力しなければならない。この場合において、当該対象議員は、審査会に出席して意見を述べなければならない。
2 委員長は、対象議員が審査会の審査及び調査に協力しないとき、又は虚偽の発言若しくは報告をしたときは、その旨を議長に報告する。
3 議長は、前項の規定により委員長から報告があつたときは、その旨を公表するものとする。
(1) この条例の規定を遵守させるための警告書の発行
(2) 議会内での役職辞任の勧告
(3) 議員辞職の勧告
(4) その他必要と認める措置
(対象議員に対する措置)
第11条 議長は、第9条に規定する意見書を添えた報告があつたときは、当該報告の趣旨を尊重し、対象議員に対して、議会の品位及び名誉を守り、市民の信頼を回復するため、速やかに必要な措置を講じなければならない。
3 前2項に規定する措置を講じた場合の効力は、当該対象議員の任期中継続する。
(1) 審査請求をした代表者の氏名及び有効署名の総数
(2) 対象議員の氏名
(3) 審査請求した理由
(4) 審査結果の内容
(守秘義務)
第13条 議員は、審査請求に係る事案の審査において知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(留意事項)
第14条 この条例の運用に際しては、議員の正当な政治活動を抑圧することのないよう留意しなければならない。
(委任)
第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、議長が別に定める。
付則
(施行期日)
1 この条例は、平成28年10月1日から施行する。
(適用区分)
2 第4条の規定は、この条例の施行の日以後に行われる議員の行為について適用する。
付則(平成29年条例第46号)
この条例は、公布の日から施行する。
付則(令和5年条例第23号)
この条例は、公布の日から施行する。