○稲沢市介護保険施設等指導実施要綱
平成21年12月4日
施行
稲沢市介護保険事業者等指導及び監査実施要綱(平成19年6月1日施行)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号)第23条又は健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第26条の規定による改正前の法(以下「平成18年旧介護保険法」という。)第23条の規定による居宅サービス等(居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、地域密着型サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)、施設サービス、介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。)、地域密着型介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。)若しくは介護予防支援(これに相当するサービスを含む。)をいう。以下同じ。)を担当する者又はこれらの者であった者(以下「居宅サービス担当者等」という。)に対して行う保険給付に関する文書その他の物件の提出若しくは提示の求め若しくは依頼又は質問若しくは照会に基づく指導並びに厚生労働大臣又は愛知県知事が法第24条若しくは平成18年旧介護保険法第24条の規定による居宅サービス等を行った者又はこれを使用する者(以下「居宅サービス実施者等」という。)に対して行う居宅サービス等の内容並びに介護給付及び予防給付(以下「介護給付等」という。)に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求に関する報告若しくは当該居宅サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提示及び質問に基づく指導について、基本的事項を定めることにより、居宅サービス等の利用者又は入所者若しくは入居者(以下「利用者等」という。)の自立支援及び尊厳の保持を念頭において、居宅サービス担当者等及び居宅サービス実施者等(以下「介護保険施設等」という。)の支援を基本とし、介護保険施設等が行う介護給付等に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)に関するサービスの質の確保及び保険給付の適正化を図ることを目的とする。
(指導の対象及び方針)
第2条 指導の対象は、介護保険施設等とし、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求等に関する事項について周知徹底させることを方針とする。
(指導の計画)
第3条 市は、介護保険施設等に対する指導の計画を毎年度当初に定めるものとする。
(指導の形態)
第4条 指導の形態は、次のとおりとする。
(1) 集団指導 愛知県知事又は市長が主体となり、指定又は許可の権限を持つ介護保険施設等に対し、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬請求の内容、制度改正内容及び高齢者虐待の事案をはじめとした過去の指導事例等に基づく指導内容について、年1回以上、一定の場所に集めて講習等の方法により行う。ただし、必要に応じオンライン等(オンライン会議システム、ホームページ等をいう。以下同じ。)を活用した動画の配信等による実施も可能とする。
(2) 運営指導
(ア) 介護サービスの実施状況指導 個別サービスの質(施設、設備及び利用者等に対するサービスの提供状況を含む。)に関する指導
(イ) 最低基準等運営体制指導 法令等に規定する運営体制に関する指導((ウ)に関するものを除く。)
(ウ) 報酬請求指導 加算等の介護報酬請求の適正実施に関する指導
イ 実施頻度 運営指導は、原則として指定又は許可の有効期間内に少なくとも1回以上、指導の対象となる介護保険施設等について行う。ただし、居宅サービス(居住型サービスに限る。)、地域密着型サービス(居住系サービス及び施設系サービスに限る。)及び施設サービスについては、3年に1回以上の頻度で行うよう努めるものとする。
(指導対象)
第5条 市は、指導を行う介護保険施設等について、次のとおり選定する。
(1) 集団指導の対象 愛知県知事又は市長が指定又は許可の権限を持つ全ての介護保険施設等を対象に行うものとし、愛知県知事又は市長は、その指導内容等により、サービス種別毎の実施又は新規に指定した若しくは管理者の変更があった介護保険施設等を対象として別途実施する等、より一層内容の理解が図られるよう努めるものとする。
(2) 運営指導の対象
ア 一般指導 実施頻度や個別事由を勘案し、原則毎年度、計画的に実施できるよう愛知県知事又は市長が、介護保険施設等を選定する。
イ 合同指導 一般指導の対象となった介護保険施設等を対象に選定する。
(指導の実施方法)
第6条 集団指導及び運営指導の実施方法は、次のとおりとする。
(1) 集団指導
ア 実施通知 集団指導の日時、場所、出席者、指導内容等を文書により当該介護保険施設等に通知する。
イ 指導方法 実施に当たっては、介護保険施設等に対して、指導内容の理解を深めるための質問や個別相談等の機会を設ける等、工夫するとともに、実施体制等により単独での実施が困難な場合は、愛知県又は市が合同で実施することを検討する。この場合において、集団指導を実施するときは、その内容について愛知県管内での整合を図るため、相互に事前の情報提供を行う等、連携を図るものとし、集団指導に参加しなかった介護保険施設等に対しては、使用した資料の送付等により確実に資料の閲覧が行われるよう情報提供するとともに、オンライン等を活用した動画の配信等による場合は、配信動画の視聴や資料の閲覧状況について確認する。
(2) 運営指導
ア 実施通知 市長は、指導対象となる介護保険施設等を決定したときは、次に掲げる事項を文書により当該介護保険施設等に対して原則として1月前までに通知する。ただし、指導対象となる介護保険施設等において高齢者虐待が疑われる等の理由により、あらかじめ通知したのでは、当該介護保険施設等の日常におけるサービスの提供状況を確認することができないと認められる場合は、指導開始時に次に掲げる事項を文書により通知する。
(ア) 運営指導の根拠規定及び目的
(イ) 運営指導の日時及び場所
(ウ) 指導担当者
(エ) 介護保険施設等の出席者(役職名等のみで可とする。)
(オ) 準備すべき書類等
(カ) 当日の進め方、流れ等(実施する運営指導の形態、スケジュール等)
イ 指導方法 運営指導は、関係者から関係書類等を基に説明を求め、面談方式で行う。ただし、施設若しくは設備又は利用者等のサービス利用状況以外の実地でなくても確認できる内容(最低基準等運営体制指導及び報酬請求指導に限る。)の確認については、情報セキュリティの確保を前提としてオンライン等を活用することができるものとし、活用に当たっては、介護保険施設等の過度な負担とならないよう十分に配慮する。
ウ 運営指導の留意点
(ア) 所要時間の短縮等 運営指導の所要時間については、確認項目を踏まえることで、一の介護保険施設等当たりの所要時間をできる限り短縮し、介護保険施設等と市双方の負担を軽減し、運営指導の頻度向上を図るものとする。
(イ) 同一所在地等の運営指導の同時実施 同一所在地や近隣に所在する介護保険施設等に対する運営指導については、できるだけ同日又は連続した日程で行う等、より効率化を図るものとする。
(ウ) 関連する法律に基づく監査の同時実施 老人福祉法等介護保険法に関連する法律に基づく監査との合同実施については、介護保険施設等の状況も踏まえた上で、市の担当部門間で調整を行い、同日又は連続した日程で行うことを一層推進する。
(エ) 運営指導で準備する書類等 運営指導において準備する文書は、原則として、前年度から直近の実績に係るものとし、介護保険施設等に対して運営指導の事前又は当日に提出を求める資料及び書類の写し等については1部とし、市が既に保有している文書(新規指定時、指定更新時及び変更時に提出されているもの等)について再提出を求めない。介護保険施設等において、作成、保存等が行われている各種書面について、当該書面に代えて電磁的記録により管理されている場合は、ディスプレイ上で内容を確認することとし、別途、印刷した書類等の準備及び提出は求めない。
(オ) 利用者等の記録等の確認 利用者等へのサービスの質を確認するためにその記録等を確認する場合は、特に必要と判断する場合を除き、対象は原則として3名以内とする。ただし、居宅介護支援事業所については、原則として介護支援専門員1人当たり1人及び2人の利用者についてその記録等を確認する。
エ 指導結果の通知等 運営指導の結果、人員、施設及び設備又は運営について改善を要すると認められる事項がある場合で、介護報酬請求について不正には当たらない軽微な誤りが認められ過誤による調整を要すると認められるときは、後日文書によってその旨を通知する。
オ 報告書の提出 愛知県知事又は市長は、当該介護保険施設等に対して、文書で通知した事項については、文書により報告を求めるものとする。
(監査への変更)
第7条 運営指導を実施中に次に該当する状況を確認した場合は、運営指導を中止し、直ちに稲沢市介護保険施設等監査実施要綱(平成21年12月4日施行)に定めるところにより監査を行い、事実関係の調査及び確認を行うものとする。
(1) 愛知県知事及び市長が定める介護給付等対象サービスの事業の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準に従っていない状況が著しいと認められる場合又はその疑いがあると認められる場合
(2) 介護報酬請求について、不正を行っていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合
(3) 不正の手段による指定等を受けていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合
(4) 高齢者虐待等により、利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合
(指導に当たっての留意点)
第8条 指導は、別に定める指導に関するマニュアルに基づき行うものとし、特に次に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 高圧的な言動は控え、改善が必要な事項に対する指導やより良いケア等を促す助言等については、介護保険施設等との共通認識が得られるよう留意すること。
(2) 適正な事業運営等に関し効果的な取組を行っている介護保険施設等については、積極的に評価し、他の介護保険施設等へも紹介する等、介護サービスの質の向上に向けた指導を行うこと。
(3) 運営指導は、基準等に基づき行うものとし、担当職員の主観に基づく指導や、当該介護保険施設等に対する前回の指導内容と根拠なく大きく異なる指導は行わないこと。
(4) 運営指導における個々の指導に当たっては、具体的な状況又は理由を聴取し、根拠規定、その趣旨・目的等について親切丁寧な説明を行うこと。
(5) 運営指導の際、介護保険施設等の出席者については、必ずしも事前に通知した者に限定することなく、実情に詳しい従業者又は介護保険施設等を経営する法人の労務、会計等の担当者が同席することは差し支えないこと。
(補則)
第9条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。
付則
1 この要綱は、平成21年12月4日から施行する。
2 この要綱の施行の日前に稲沢市介護保険事業者等指導及び監査実施要綱によりなされた手続その他の行為については、この要綱の相当規定によりなされた手続その他の行為とみなす。
付則
この要綱は、令和4年4月1日から施行する。
付則
この要綱は、令和5年4月1日から施行する。