○稲沢市地域建設業経営強化融資制度に係る事務取扱要領
平成30年4月20日
施行
(趣旨)
第1条 この要領は、市が発注する建設工事を請け負う中小・中堅建設業者(原則として資本の額若しくは出資の総額が20億円以下又は常時使用する従業員の数1,500人以下の建設業者(以下「受注者」という。))の資金調達の円滑化を推進することを目的として、当該建設工事に係る工事請負代金債権(以下「工事請負代金債権」という。)の譲渡を活用した融資制度(以下「本制度」という。)を利用する場合における、工事請負契約約款(以下「約款」という。)第5条第1項ただし書に規定する工事請負代金債権の譲渡(以下「債権譲渡」という。)の承諾等に関する事務の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。
(債権譲渡の対象工事)
第2条 債権譲渡の対象となる工事は、市が発注する建設工事のうち、次の工事を除く工事とする。
(1) 次に掲げる工事を除く債務負担行為、歳出予算の繰越し等による工期が複数年度にわたる工事
ア 債務負担行為の最終年度に係る工事であり、かつ、年度内に終了が見込まれる工事
イ 前年度から繰り越された工事であつて、かつ、年度内に終了が見込まれる工事
ウ 債務負担行為に関わる工事又は繰越工事であつて、債権譲渡の承諾時点において、次年度に工期末を迎え、かつ、工期の残りが1年未満の工事
(2) 低入札価格調査の対象となつた者と契約した工事
(3) 受注者の施工する能力に疑義が生じている等、債権譲渡の承諾に不適当な特別の事由がある工事
(譲渡債権の範囲)
第3条 譲渡される工事請負代金債権の額は、当該請負工事が完成した場合においては、約款第31条に規定する検査に合格し、引渡しを受けた出来形部分に相応する工事請負代金額から前払金、中間前払金又は部分払金及び当該工事請負契約により発生する市の請求権に基づく金額を控除した額とする。ただし、当該工事請負契約が解除された場合においては、約款第50条第1項に規定する出来形部分の検査に合格し、引渡しを受けた出来形部分に相応する工事請負代金額から前払金、中間前払金又は部分払金及び当該工事請負契約により発生する違約金等の市の請求権に基づく金額を控除した額とする。
2 当該工事請負契約の契約変更により工事請負代金債権の額に増減が生じた場合には、前項の工事請負代金債権の額は、変更後の工事請負代金債権の額とする。
3 前項の場合において、受注者は債権譲渡先に変更後の工事請負契約書の写しを提出して通知するものとする。
(債権譲渡を承諾する時点)
第4条 債権譲渡の承諾は、第2条に規定する工事の出来高が2分の1以上に到達したと認められる日以降とする。
(承諾権限)
第5条 受注者は債権譲渡を行おうとするときは、約款第5条第1項ただし書に規定する市の承諾を得なければならない。
(債権譲渡先)
第6条 債権譲渡先は、事業協同組合等(事業協同組合連合会等を含む。)若しくは民法(明治29年法律第89号)上の公益法人である建設業者団体又は一般財団法人建設業振興基金が被保証者として適当と認める民間事業者であつて、中小・中堅元請建設業者への資金供給の円滑化に資する資金の貸付事業を行う者とする。
(債権譲渡の承諾の申請書類)
第7条 受注者は、債権譲渡の承諾の申請を受ける場合には、次に掲げる書類を市長に提出しなければならない。
(1) 債権譲渡承諾依頼書(様式第1) 3通
(2) 受注者及び債権譲渡先(以下「受注者等」という。)の調印済の債権譲渡契約証書の写し 1通
(3) 工事履行報告書(様式第2) 1通
(4) 発行日から3か月以内の受注者等の印鑑証明書 各1通
(5) 保証委託契約約款等において、工事請負代金債権の譲渡につき保証人等の承諾が必要とされている場合には、当該譲渡に関する保証人等の承諾書 1通
2 受注者等は、複数の工事請負契約に係る債権譲渡の承諾依頼を行う場合においては、工事請負契約ごとに書類を提出するものとする。この場合において、書類を受領した日から起算して3か月以内に発行された印鑑証明書を既に提出している場合には、当該証明書の提出を省略することができる。
(債権譲渡の承諾の手続等)
第8条 市長は、前条の規定により提出のあつた申請書類について、受理した日から起算して7日以内に債権譲渡を承諾するか否かを通知するものとする。
2 債権譲渡を承諾した場合、債権譲渡承諾書(様式第1)2通を受注者等に交付するもとする。
5 市長は、債権譲渡整理簿(様式第4)により債権譲渡の申請及び承諾状況の管理を行うものとする。
(債権譲渡の対抗要件)
第9条 債権譲渡が受注者の倒産等の兆候(1回目の手形不渡等)がない有効な時期になされ、かつ、市の有効な日付がある承諾を得ることで第三者に対抗できるものとする。
(保証事業会社による金融保証の保証範囲)
第10条 本制度における保証事業会社による金融保証は、前払金の支払いを受けた工事を対象とし、保証範囲は、当該工事の完成に要する資金で、工事請負代金額から前払金、中間前払金又は部分払金及び債権譲渡先から受注者への融資額を控除した金額の範囲内とする。
2 債権譲渡契約の締結及び融資審査の手続等において出来形の確認が必要な場合は、債権譲渡先が自らの責任において行うものとする。
(融資実行の報告)
第12条 受注者等は、市長による債権譲渡の承認後、金銭消費賃借契約を締結し、当該契約に基づく融資が実行された場合には、速やかに市長に、融資実行報告書(様式第5)を提出するものとする。
2 受注者は、当該工事に関する資金の貸付けを受けるため、第10条に規定する保証事業会社による金融保証を受けた場合には、速やかに市長に、公共工事金融保証証書の写しを提出するものとする。
3 市長は、融資実行報告書(様式第5)を受理した場合は、当該工事請負代金額の支払先を債権譲渡先の指定する口座に変更するものとする。
(債権譲渡後の中間前払金等の取扱い)
第13条 債権譲渡を承諾した後は、当該承諾に係る工事について受注者等は約款第34条第4項に規定する中間前払金及び約款第36条に規定する部分払の請求はできないものとする。
(債権譲渡先の債権金額の請求)
第14条 受注者が、約款第31条に規定する検査に合格し、工事目的物の引渡しを行つた後、債権譲渡先は、債権金額を請求することがでできる。
2 債権譲渡先は、前項の債権金額を請求する場合は、次に掲げる書類を市長に提出するものとする。
(1) 工事請負代金請求書
(2) 発行日から3か月以内の債権譲渡先の印鑑証明書。ただし、書類を受領した日から起算して3か月以内に発行された印鑑証明書を既に提出している場合には、当該証明書の提出を省略することができる。
(補則)
第15条 本制度に係る債権譲渡は、受注者の工事完成引渡債務が一切軽減されるものではない。
2 この要領に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
付則
この要領は、平成30年4月20日から施行する。
付則
この要領は、令和元年7月1日から施行する。
付則
この要領は、令和2年4月1日から施行する。